富岡町役場 福祉課 子育て支援係 – とみおかくらし情報館
町に住んでいる立場として、日常の会話から関係を築いていく

富岡町役場 福祉課 子育て支援係

富岡町役場
福祉課 子育て支援係
保健師 児島 大寛さん

母子保健と児童福祉

現在、子育て支援係では、母子保健と児童福祉を担当しています。

母子保健では、乳幼児健診、赤ちゃん訪問、離乳食教室、ママパパ学級など、妊娠期から子育て期にかけての支援を行っています。赤ちゃんが生まれたら訪問し、成長の確認や保護者の不安を聞き取ります。
児童福祉では、虐待に関する通告対応や児童相談所との連携、ファミリーサポートセンター事業など、家庭を取り巻くさまざまな課題に向き合っています。

もともとは健康づくり係で、成人や精神保健、予防接種などを中心に担当していました。現在の福祉課に異動して2年目になります。母子保健と児童福祉が一体化した体制の中で、業務にあたっています。

出身は須賀川市で、富岡町を選んだきっかけは、正直に言うと桜がきれいだなと思ったことでした。採用時に町の写真を見て、夜の森の桜並木に目が留まりました。きっかけは些細な理由でしたが、気づけば8年目になります。実際に暮らしてみると、目の前には海があり、穏やかな景色が広がっていて本当に美しい街だなと感じます。桜祭りの時期には救護担当として会場に立つこともありますが、忙しさの中でも、やっぱりきれいだなと感じています。

子どもの声が戻ってきた

入庁して1年目の時に、こども園で講話をしたことがあります。その時、教室に並んでいた椅子は6脚ほどでした。子どもたちの顔を全員覚えられる人数でした。それが今では、園児の数は大きく増えています。

転入も転出も多い町ですが、確実に子どもたちは増えています。妊娠届出の数も、以前は年間1~2人ほどだったのが、今では20人を超えています。前までは全員の顔が分かっていたのに、今では「この子は誰だろう」と思うこともあります。
それだけ新しいご家庭が増えているということです。もちろん、出されるご家庭もありますが、それでも全体として、子どもたちの姿は確実に増えています。

最初の頃と比べて、町は確実に変わりました。子どもの声が響く町になってきたと実感しています。震災後の静かな時期を知っているからこそ、この変化は大きく感じます。町とともに時間を重ね、その変化を目の当たりにできることは、とても貴重な体験だと思っています。

移住者が感じる魅力

移住して来られるご家庭の理由はさまざまです。経済的支援が比較的充実している点は、よく挙げられます。保育料や学校関係の支援、移住支援制度など、子育て世帯にとって負担軽減となる制度があります。また、小規模な学校環境に期待して転入されるご家庭もあります。以前の地域で不登校だったお子さんが、「小さな学校なら手厚く見てもらえるのでは」と考えて来られたケースもありました。
仕事をきっかけに来て、そのまま町内に家を建てる方もいます。起業を志し、この町で何かを始めたいと意欲的に動いている方もいます。最初は仕事の都合で一時的に来たものの、「ここで子どもを育てたい」と定住を決めるご家庭も少しずつ増えています。

医療体制と、安心につなぐ仕組み

子育て世帯からよくいただくご相談の一つが、医療体制についてです。町内に小児科がないため、必要に応じて南相馬やいわき方面へ受診することになります。
その分、町では「どう安心につなげるか」を大切にしています。窓口にご連絡があった際は、症状や様子を丁寧に聞き取り、「今すぐ受診が必要か」「まずは様子を見てよいか」を一緒に確認します。
必要に応じて、ふたば医療センターなどの医療機関をご案内しています。

また、オンライン医療相談の仕組みも整えています。登録すれば、LINEのような形で医師に相談でき、「様子を見てよい」「受診した方がよい」といった助言を受けることができます。夜間や休日でも利用できるため、子育て世帯の安心材料の一つになっています。

小さな町だからこそ、状況を共有しながら支援につなげていけることが強みでもあります。発達支援や放課後の居場所づくりなどについても、子どもたちの増加に合わせて少しずつ体制を整えているところです。今いる子どもたちにとってよりよい環境になるよう、町全体で考え続けています。

医療体制と、安心につなぐ仕組み

転入されたご家庭には、できるだけ窓口で声をかけています。そして可能であれば訪問し、「なぜここに来たのか」「困っていることはないか」を伺います。初めての土地で、知り合いもいない中、子どもと家にこもりきりになってしまう方もいます。そんな時は、子育て支援センターやわんぱくパークの利用を勧めます。一人で行くのが不安なら一緒に行きましょうかと声をかけることもあります。

外国籍の方が増えているため、日本語や制度が分からない場合には同行し、少しずつ自分で利用できるよう支援します。生活困窮やメンタル面の不安、子どもの発達の悩みなど、状況によっては継続的に関わります。ただし、必要以上に踏み込みすぎないことも大切にしています。特別なことをしているわけではなく、町に住んでいる立場として、日常の会話から関係を築いていく。何かあったら相談できると思ってもらえることが一番大切だと思っています。

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