東京の化学メーカーで同僚として働き、結婚を機に新しい暮らしの形を模索し始めた齋藤翔太さんと柚季乃さんご夫婦 。
おふたりが人生の新天地として選んだのは、福島県富岡町でした。
移住支援制度や「お試し住宅」を利用して、柚季乃さんは見知らぬ土地での起業も実現。
ご夫婦の移住ストーリーと、とみおかくらしをお聞きしました。

地名きっかけ!? 直感から始まった移住への道
翔太さん:富岡町に移住した理由はいくつかあるんですけど、元々東京で暮らしていて、もうちょっとのどかなところで暮らしても良いよね、という話をしていて 。
僕の地元は東京で、妻は宮城県の仙台出身なので、その間でいろいろと探していました 。
柚季乃さん:「もう家を買っちゃおう!」と話していて 。それで、中古物件を調べている中で、富岡町にすごく破格の物件を見つけたんです 。
住所を見たら、よるのもりで“夜の森(よのもり)”と書いてあって 。「こんなところがあるよ!」とふたりで大盛り上がり。完全に“夜の森”という地名に惚れてしまいました 。
翔太さん:富岡町含め、この地域にはさまざまな支援や補助があるということで、それを生かして移住するのはありかなと前向きに思いました 。移住に対してそこまで抵抗はなかったですね。
柚季乃さん:気づいちゃったね 。ピンときちゃったね!笑。
翔太さん:妻の行動力に引っ張られた部分は大きかったですが、“夜の森”という地名との出会いが、新しい人生を歩むきっかけになりました。
「お試し住宅」の快適さ
翔太さん:移住するまでに、『とみおかプラス』さんのお試し住宅を2回利用させていただきました 。
1回目は4月で、ちょうど桜の時期。2回目は1か月後の5月に、僕の母と弟も連れて 。
自分たちは富岡への移住に前のめりだったので、“お試し”とは言いつつも「もうここに住むよ!」という勢いで、家族に僕らの移住先を紹介するくらいの気持ちでした。
柚季乃さん:お試し住宅、とっても良かったです! あそこに住みたいくらいでした笑 。広くて料理もできて、みんなで団らんできるリビングもあって。
翔太さん:和室があるもの良かったですね。4月と5月に利用して、6月に諸々申請して、7月には移住しちゃいました。初めて町を訪れてから4ヶ月後には移住という、かなりのスピード感ですよね笑。
趣味のガラス工芸から起業へ
柚季乃さん:今年4月、夜の森にガラスと陶器の装飾雑貨店『夜の森硝子(YONOMORI GLASS)』をオープンしました。
東京で暮らしていた頃、ガラス工芸の体験教室に参加してハマってしまって。ガラスが溶けたとき、すごくきれいなんですよ 。それが楽しくて、そのまま教室に入会して通うようになりました 。
何度も通っているうちに、バーナーを買っちゃおう! もっと極めよう! とハマりにハマってついに起業してしまいました。


翔太さん:ガラスを始めてから、妻はすごく活動的になったなと感じています 。夢中になってやっていたので、僕も応援していました。
柚季乃さん:ガラスで起業することは当初は考えていなくて、家で自分のペースでやっていこうと思っていたんですけど 。富岡に移住すると決まってからいろいろ調べていたら、起業支援(富岡町創業・事業展開支援補助金)を見つけました。
「チャレンジしてみて、もし採択されたら起業しちゃおうか!」という話になって 。福島県12市町村起業支援金や移住支援金も申し込んで採択していただいたので、起業を決意しました。
富岡町での暮らしとそれぞれの仕事

翔太さん:僕は今、富岡町役場で会計年度任用職員として働いています 。
最近ようやく役場の仕事に慣れてきて 、町民の方々とコミュニケーションが取れるようになってきました。
以前は人付き合いがあまり得意なほうではなかったと自覚しているんですけど、今は町民の方の役に立てている実感が少し出てきて、やりがいを感じています。
柚季乃さん:4月の桜の時期は、私のお店にも町内外からたくさんお客様が来てくださいました。
今は夜の森をお散歩していた方とか、「ここに何が建つんだろう?」って楽しみにしてくださっていた地元の方々も訪れてくれています。

お店の外観からサウナができるのかな?と思っていた方も多いようなのですが、「ガラス工房だって私は知ってたわよ」って声をかけてくださった方もいました。嬉しいですね!
翔太さん:最初、移住するにあたって考えていたのは、のどかな環境で暮らしたいということでした 。富岡町はゆったりと時間が流れていて、暮らしやすいと感じています 。
気になることを敢えて言うとしたら、土日に開いているお店が少ないことですかね。
家族や友人が遊びに来るのは土日が多いので、連れて行きたいお店があるけど、まだ実現できていないのがすごく残念です。
移住を検討している方へメッセージ

翔太さん:富岡に移住すると決めてから、意外とすんなりいきました。
お試し住宅を利用して、移住前に町の様子を知れたのは大きいなと思っています。富岡町への移住に興味があったら、実際に足を運んでみてください。
あとは、自分たち夫婦は「夜の森」という気にいった場所を見つけて、それめがけて突き進んできたところがあるので 、そういうお気に入りのスポットを見つけるのも、移住への原動力になるのではないでしょうか 。
柚季乃さん:私たちのように、何かひとつ気に入ったものを見つけられれば、それだけでも移住する理由になるかもしれないですよね。
町で暮らすようになってから改めて感じたんですけど、人によってこの地域を見る目がぜんぜん違うような気がしていて 。
富岡を寂しい町だと感じる人もいるかもしれません。でも、「何もないのが逆に面白いよね!」みたいに前向きに捉える人もいると思います 。
“何もない”を楽しめる人なら、この地域が向いているかも!
急がずじっくり“自分に合ったまち”を見つけられたらいいのかなと思います。
写真:鈴木宇宙
インタビュー・文:遠藤真耶(合同会社knot)









