富岡小中学校が目指すもの
鈴木さん
現在富岡小学校は、男子32名、女子36名の合計68名で、児童数は着実に増加しています。年間を通して継続的に転入生が来ますので、移住されている方も増えているなと感じています。

和泉さん
富岡中学校は男子8名、女子14名の合計22名になります。ほとんどの子は富岡小学校から進学してきます。生徒数の増加はあまり見られませんが、増加は小学校の低学年に多い傾向です。教育方針としましては、「進んで学ぶ生徒」「思いやりのある生徒」「たくましく根気強い生徒」の三つの目標を掲げて、社会で生き抜く力をつける取り組みを行っています。

鈴木さん
小学校でも共通指導目標である、「夢を見つけ、その実現に向け粘り強く努力しよう」という指標のもと、知徳体の部分に関わる基本的な部分を大切にしながら、中学校と一緒に子どもたちの教育にあたっています。
富岡ならではの学びで心を動かす

和泉さん
具体的な取り組みとして、小中学校ともに、「Professional in School(PinS)」事業と「EIP9(エイプナイン)」という2つのユニークな取り組みを行っています。PinSは創造的な分野の専門家を「転校生」という形で招き、制作活動を進める姿を生徒たちが見ることで、観察力や発想力を養い、作品制作により学びの環境を創出し、学校生活の記憶と、世代を超えた共育・学びを提供するものです。一方のEIP9はスポーツ分野の専門家を招き、多様な運動に触れさせることで、運動を全力で楽しみながら(enjoy)、能力の向上(improve)を目指し、粘り強く(persistence)立ち向かっていく精神力を、9年間を通して育成するものです。

鈴木さん
PinSは「教えない教育」をテーマに、専門家が子どもたちに直接やり方を教えるのではなく、専門的な活動をしている場に子どもたちが参加したり、逆に子どもたちの授業の中に専門家が入ったりして共に活動します。特に教師とは違う大人との関わりが、生徒たちに大きな影響があると感じています。
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舞台セット作りの専門家と一緒に活動した際には、工作が苦手な生徒が自信を持って作品を完成させ、その達成感や喜びがとても伝わってきました。活動の中で自然とコミュニケーションもとれますし、出来上がったものを見てさらに感動を得られる。その子たちの目の輝きを見て、この経験はPinSでしか得られないものだと感じました。









小中併設型だから育つ協調性
和泉さん
本校はまだ人数的には少ないところがあるので、多様な人と関われるこれらのプロジェクトはとても意義があると思います。また人数が少ないからこそお互いに協力し合う気持ちが芽生える利点はあります。中学生にとっては、小学生を引っ張っていこうという気持ちがすごく育っていて、自分たちが小学生の時に見た先輩のようになりたいという思いが強く、実際にそれを実践しています。そういった意味で本当に心の部分が育っているなと感じています。
鈴木さん
小学校から見て、お兄さんお姉さんの姿はすごくかっこいいですよね。自分たちもあんな風になりたいなっていう思いを身近で感じられるのが本校の良さだと思います。

また、小学校の先生が、中学生まで成長した様子を9年間見通せることもすごくいいことだなと思います。中学校の先生であっても小学生の面倒を見てくれますし、勉強面でも、中学校の英語の先生が小学生に英語を教えたり、数学の先生が小学校の算数を教えるなど、専門的な指導を受けられることも特色の一つです。
和泉さん
一般的な中学校ですと、入学してきた生徒がどんな子なのかは、ほとんど分からない状態でスタートしてしまいます。ここでは生徒のこれまでが分かっているので、成長もつぶさに感じられますし、生徒一人一人に合わせた指導もできます。
地域全体で子どもたちを見守る
鈴木さん
行事の面で言いますと、運動会は小中はもちろん、こども園とも連携して実施しております。学校の中だけで実施するのではなく、地域の方の協力によって作り上げられる行事になっています。会場の準備や、競技への参加はもちろん、地域のYOSAKOIチームの方に来ていただいて、ご指導いただいたものを発表することもしています。学校の中におさまるものではなく、町全体で子どもたちを見守るような運動会になっています。学校の良さと、この地域の良さを感じられる場所になっていますので、ぜひとも運動会の雰囲気を見ていただけたらと思いますね。

和泉さん
中学校の文化祭と小学校の学習発表会を合同で行い、小中一緒に準備をしていきます。ここでも地域の方の協力を得て太鼓やYOSAKOIを教えてもらい、数ヶ月の時間をかけて熱心に取り組み、その成果を文化祭で披露することで、達成感を得るだけでなく、地域との繋がりの大切さを学ぶことができる大切な機会になっています。

誰もがすぐになじめる 温かく受け入れる心
鈴木さん
移住されて転入してくる子が多いのですが、親御さんと最初にお会いする時は不安そうな方もいらっしゃいます。ですが、次にその方が学校に来られた時に、転入してきて良かったですというお言葉を多くいただいています。
和泉さん
当校においては、転入生が来ることは決して特別ではありません。その為、生徒たちは転入生に対して違和感なく接することができ、そして受け入れてくれる。そのような子どもたちの接し方を見るととても感動します。

早く馴染めるか不安ですという相談はありますが、すぐに「来てよかったです」と言っていただくことが多いですね。
鈴木さん
子どもたちだけでなく、親御さん同士も馴染みやすい地域性は、この町の本当に素晴らしいところだと思います。町になじまれて「富岡町の保護者」になっていただいたなと感じた時は、こちらも嬉しくなりますね。

安心できる教育環境 笑顔あふれる富岡町へ
和泉さん
まだ富岡町は人数は少ないですが、少ないからこそ子ども一人ひとりに応じた学習指導や生活面での支援ができると思います。「個に応じて」ということを意識して生徒たちと向き合っていますので、心配せずに来ていただきたいです。富岡町の子どもたちを一緒に育んでいけたらなと思います。
鈴木さん
町の皆さんが本当にいい人ばかりですので、生活する上でも、子どもたちを学校に通わせる上でも、安心できる場所です。子どもたちの生活を見ていても笑顔にあふれていますし、子どもたちを支えるための施設や条件が整っていると、私たち教職員も実感しています。また放課後児童クラブも校舎の隣にあるので、ひとり親世帯の方も安心かと思います。是非とも移住をお考えの際には、見学からでも大歓迎ですので、いつでもお待ちしております。

富岡町立富岡小学校 教頭 鈴木 正和さん
富岡町立富岡中学校 教頭 和泉 勝之さん
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