多世代との交流で自ら成長していく
「富岡町立にこにここども園」では、多世代との交流を多く取り入れているのが特徴です。まず幼小連携として、年長児がスムーズに小学校に移行できるよう、小学生との交流を取り入れています。小学校での運動会や学びの場において、小学生と一緒に体験したり、見学することで、不安なく小学生へと進めるようにしています。最近ですと、1年生の授業の一環として、どんぐり拾いをこども園で行いました。小学生の子どもたちも園児たちを気遣いながら、遊んでくれましたし、それを見た年長の子どもたちも、真似をして下の子どもたちに、優しく接してあげたり、挨拶をするようになったりと、お互いにとって良い影響が感じられます。また0歳から5歳までの子どもたちが、園庭や室内で年齢を超えて一緒に活動できるような空間を提供して、それぞれが興味を持って遊びに向かえるよう、自由度の高い環境を意識しています。
園でのスケジュール
朝は8時半くらいまでに登園してもらいます。3歳からは身の回りの整理を自分でできるように、運動着にお着がえをしたり、登園シールを手帳に貼ったりしています。午前は自由遊びを中心に過ごして、お昼に給食になります。昼食後には、今日の振り返りと翌日はどんな遊びをしようかなどお話をします。13時半ごろに、幼稚園の部の子どもたちは帰りますが、親御さんがお仕事で残られる子や、2歳までの子どもたちはお昼寝になります。お昼寝が苦手な子もいますが、ベッドで静かに時間を過ごすようにさせて、無理なく休ませるようにしています。15時からおやつの時間があり、そこから18時までの間にお迎えに来ていただいています。
手作りから味わうこと
給食やお菓子も、子どもたちが楽しめるような盛り付けやデコレーションがされていて、手作りのものを基本としています。
お忙しいご家庭では手作りのお菓子を作るのは大変なところもあると思いますし、実際に手作りのものに最初は抵抗感がある子どもたちもいます。ですが段々と手を伸ばすようになり、結果たくさんの種類の食材を口にすることができています。手作りのものを味わうことは子どもたちにとって、大事な経験であり食育に繋がることですので、そのきかっけになれたらと思っています。
主体性を持って相手を理解できるように
主な行事として、小中学校こども園合同運動会と園単独の運動会、その他に発表会やクリスマス、ひな祭りなど季節ごとの催しごとを行っています。特徴的な教育行事として、ピースフルスクールプログラムがあります。オランダ発祥の教育プログラムで4、5歳児を対象に年に10回程度行っています。保育者がパペットを使いながら、子どもたちが自分の意見を言葉で伝えることを促し、多様な考えや思いがあることを認め合うように導いていきます。これによって対立が起きた際に、話し合いで解決する力や、感情のコントロール、相手の気持ちを理解することを学んでいきます。
実際に、自分の意見をはっきりと言葉で伝えるようになったのを感じますし、小学校の先生の話では、休み時間に一人になりたい子がいたそうですが、プログラムを受けた子どもたちが、その子をそっとしておいてあげる判断と、それを周りの子どもたちに説明してあげる行動をとったそうです。子どもたちの成長を感じられて嬉しく思いますし、今後も継続して、子どもたちの主体性と相手の気もちを思いやる心を伸ばしていきたいと思います。
地域の人たちに見守られて
先日も農家さんからジャガイモ堀りに来ないかとご連絡受けて、園児たちでたくさんのジャガイモ収穫を体験できました。高齢者の方との交流も、みなさん笑顔で接してくださるおかげで、祖父母が身近にいない子どもたちも抵抗なく接することができています。園児たちも地域の方との関りでたくさんのことを吸収できていると思います。町の人たちが本当に温かく子どもたちを見守ってくれて、接してくださることは、この町の魅力ですよね。
子育て相談や情報交換でサポート
知らない土地での子育てに不安を感じる方は多いと思います。にこにここども園では、子育て支援センターを併設しており、保護者同士の情報交換や仲間づくり、育児相談なども対応していますので、保護者をサポートする環境も整っております。子どもが園に入っていなくても利用できますし、保護者の突発的な用事や通院、また心理的肉体的負担の軽減のために、一時保育にも対応しています。保護者同士の繋がりもできますので、移住者の方には是非利用していただきたいですね。
保育士さんにも優しい環境を
当園では、各クラスとも国の基準以上に保育者を配置しており、行事や事務作業などの負担を軽減し、お互いをフォローしあいながら保育を行っています。それぞれの考えをすり合わせることで、より良い保育体制ができています。園内研修も行っているのでスキルアップへのサポートも充実しています。保育士として働きたい方も大歓迎ですので、一度見学に来ていただきたいですね。
子どもたちにとって、ここでの遊びや生活のすべてが学びだと思っています。初めての集団生活の中で、みんなと遊んだり、地域の方と交流したり、虫やどんぐりに触れること、感じるもの全てが学びになっているはずです。子どもたちのやりたいことが存分に行えるように、ワクワクする素材や機会を提供することが、私たちの努めだと思っています。移住してからの子育てに不安がある方は、私たちがサポートしますので、いつでもご相談ください。
富岡町立にこにここども園
https://tomioka-niconico.jp/
副園長 藤田 志穂さん
〒979-1111
福島県双葉郡富岡町大字小浜字大膳町152
☎ 0240-22-2358