REPORT&MESSAGE

あなたへ、地元のみんなから

ふたば自動車学校 代表 長沼 克往 さん

地域に活力を取り戻す一助になりたい

私たちの自動車教習所は、昭和38年に創業いたしました。浪江町で創業したので、はじめは「浪江自動車学校」という屋号でした。昭和56年に、さまざまな種類の教習に対応できるように広大な土地を求めて、現在の場所に移転しました。
平成8年の道交法の一部改正で、大型自動二輪車の教習が「指定自動車教習所」で行えるようになったんですが、その指定を受けたのは、私たちの教習所が福島県で初めてだったんですよ。平成9年の1月のことです。その指定を受ける基準というのがとても厳しくて、それをクリアするために社員一丸になって努力したことを憶えています。

双葉地方を代表する自動車学校を目指して

平成22年の5月に校名を浪江自動車学校から「ふたば自動車学校」に変更したんですが、これにはきっかけがあったんです。4月に、富岡警察署と浪江警察署が再編されて「双葉警察署」となりました。
これに因み、私たちも地域を町単位で見るのではなく「双葉郡」として見ようと、そして、この地域を代表する自動車学校を目指して行こうと、そんな思いを込めて校名を変えたんです。
その時に子どもたちが見てもわかるように、また、優しさや柔らかさを感じられるように、ひらがなで「ふたば自動車学校」としました。

東日本大震災、そして再開までの道のり

校名変更から一年も経たないうちに東日本大震災が起き、浪江町も立ち入りが規制されたので、学校の運営はできなくなってしまいました。ただ、私は休業していた約10年の間、全社員に給料を支払い、雇用を続けたんです。また自動車学校を再開することしか頭になかったので、私にとっては当然のことでした。働いてくれる人材がいないと自動車学校は成り立ちませんから。
10年の間、働ける職場はありませんでしたが、福島の免許センターで実施される法定講習(指導員・検定員などの資格をもった方が年に1回受ける講習)などのタイミングに合わせて、みんなで集まり食事会をして「絶対に再開するぞ‼」と団結を深めました。

浪江町に立ち入りができるようになってからは、除草作業や設備の管理をしたり。社員のみんなも再開に向けて心を一つにしてくれましたね。再開するにあたっては、改めて提出しなければならない書類等もたくさんありましたが、それは校長先生が中心となり作成を行ってくれました。
震災が起きた当時67歳で、その時は77歳になっていましたが「再開するまで責任をもって職務を全うします」と、10年間のブランクを埋めるように一から勉強し直し、対応してくれましたね。

そんな風に様々な人たちの尽力があり、令和3年の11月1日に学校業務を再開することができました。新しい学校は、建物全てを新築し、教習車もすべて新車にしました。アスファルト・砕石・芝生・土は除染の後に、それぞれ2回入れ直しをして、教習環境の維持・向上に徹底的にこだわりました。ここより綺麗な自動車学校は他にありませんよ(笑)。

ふるさと大熊町への思い

私は大熊町の出身です。原発事故の後、会津若松市に避難して、それからいわき市に来て、いまもそこで生活していますが、離れてみて“やっぱり大熊町ってよかったな”って思います。
住んでいた時から感じ、誇りに思っていましたが。何が好きかって聞かれても、答えるのが難しいんです。生まれ育ったふるさとですから、全てです。理屈じゃないんです。私は根っからの“大熊っ子”だから、このまま地域が衰退していくのをただ見ているわけにもいかないし、以前のような素晴らしい双葉郡にしていきたいと思っています。

暮らしやすい浜通りの気候

先ほど“離れてみて大熊町の良さがわかった”っていう話をしましたが「暮らしやすい気候」というのが、その良さのひとつに挙げられるかもしれないですね。
大熊町、富岡町、そしていわき市もそうだけど、福島県の「浜通り」という地域は温暖な気候なんですよ。雪なんか年に1、2回降るか降らないかくらい。海と山がある環境というのは、当たり前のように享受していましたが、とても恵まれていると思います。
子どもの頃は、夏になれば海水浴に毎日のように行っていましたし、大人になってからは山菜の美味しさがわかるようになりました。最近は“常磐もの”と呼ばれてブランド展開していますが、魚も美味しいですね。

双葉郡はもともと移住者が多い場所

双葉郡っていうのは、昔は出稼ぎの町村でした。農繁期に帰ってきて、田植えや稲刈りをして、その後また出稼ぎに行くというような所だったんです。
ところが、大熊町に東京電力の福島第一原子力発電所が建設されたことをきっかけに、行かなくても済むようになった。朝、家族で食事をして、弁当を持って仕事に行って、帰ってきて家族と共に夕飯をとる、そんな生活ができるようになったんです。それはやっぱり原子力発電所のおかげなんです。
また、全国からエンジニアの方が来るようにもなった。そんな方が、この温暖な気候、海や山に囲まれた地域に魅せられて、起業するっていうことが割に多かったんですね。だから他の土地から移り住んでくる人っていうのは結構多かったと思いますよ。
原子力発電所はああいった事故があって、もう運転をすることはないけれども、これからは廃炉に向けて、また様々な方がこの地域に足を運ぶようになるのかなと思っています。そんな風に、新しく移り住んでくる人に力を貸してもらいながら、この地域がもっとより良いものになってくれたら嬉しいね。

運転のよろず相談所

この地域は、お世辞にも交通の便がいいところとは言えません。やはり車がないと移動は大変だと思います。移住される方の中には、車の免許をお持ちでない方もいらっしゃるかもしれません。私たちの自動車学校では一種免許はすべての車種に対応できますので、普段の移動のための車の他、お仕事でも使える大型免許も取得可能です。

また、学生時代に免許はとったけれども、交通の便がいいところで暮らしていたから車の運転はしていなかったという方もいらっしゃるかもしれません。そういった方向けの「ペーパードライバー講習」なども行っています。出張して指導することもできますので、どんなことでもご相談いただきたいですね。

また、工事等の現場でも安全に作業を行っていただきたいと思い、車両系や小型移動式クレーン、フォークリフト等の産業機械講習所も開設いたしました。ウェブサイトを見ていただければ、取得できる免許・受けられる講習など確認できますので、お気軽にお問合せください。

これからも私たちの仕事を通じて、地域に活力を取り戻す一助になりたいと思います。


ふたば自動車学校
https://futaba-ds.com/
代表 長沼 克往さん
〒979-1525
福島県双葉郡浪江町大字高瀬字小高瀬廹198-3
0240-34-2535

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