REPORT&MESSAGE

あなたへ、地元のみんなから

渡辺 元気さん

海の上に立つ爽快感と開放感はSUPじゃないと味わえない

水に慣れ親しんだ幼少期

私は福島県猪苗代町の出身です。福島県は太平洋側から浜通り・中通り・会津と3地方に分けられていますが、猪苗代町は最も海から遠い会津地方に含まれます。町には日本で4番目の広い湖「猪苗代湖」があるので、子どもの頃は海水浴よりも湖水浴の方に馴染みがありましたね。

ただ海水浴にもよく行っていた思い出があります。私はもともと少し肌が弱いのですが、母親が「海水は皮膚に良い」という理論を持っていて(笑)。真偽の程はわかりませんが、そんな理由で海にもよく連れて行ってもらいました。浜通りの方に来るよりは、新潟県に行くことが多かったですね。

SUPとの出会い

私は福島県職員で、今は出先機関の「双葉復興事務所」で働いています。今の勤務先へ異動が決まった時「せっかく海が目の前にあるのだからマリンスポーツを始めたいな」と思っていたんです。

最初はサーフィンにしようかと考えていたのですが、いろいろ調べているときに「SUP(Stand Up Paddleboard)」を見つけたんです。サーフィンよりも手軽に始められそうだなと思って、道具を揃えていざやってみたら・・・もう運命の出会いでしたね(笑)。

SUPの魅力

海の上に立つ爽快感と開放感はSUPじゃないと味わえないです。あとサーフィンは良くも悪くも波のコンディションに左右されると思いますが、その点SUPはどんなコンディションでも楽しめるのが魅力ですね。穏やかな海ではクルージングができますし、逆に荒れているときは波乗りができます。遊び方が多様ですね。道具もそれほど必要なく、始めるハードルが低いのもいい所だと思います。

いつもこの場所(仏浜海岸)に来ていますが、堤防があるおかげで比較的安全ですし、車を置いてすぐ海までアクセスできるので、仕事の前後に少しでも時間があれば波に乗っています。

ゆるやかな富岡時間

富岡町の方ってスローライフを送っている人が多いように感じます。そういった場所に暮らしていると、自分の時間の流れも体感的にゆるやかになります。町全体がアットホームな感じですね。私も暮らして1年半ぐらいですが、皆さんに温かくしていただいています。

福島県外の方から見ると「富岡町って住めるの?」っていうようなイメージかもしれませんよね。でも、いざ来てみたら、町は明るいし、みんなワイワイやって楽しそうだし、すごくギャップを感じるんじゃないかと思いますね。

リアル富岡ライフ

休みの日はSUPを楽しんだり、あと隣町のサウナにもよく行きますね。たっぷり汗を流して、帰ってきたらお酒を飲んで、最高の休日ですね(笑)。休日もゆったりとした富岡時間を過ごしています。

やっぱり車はないと不便ですが、逆に車さえあれば1時間以内で山でも海でも行くことができますよ。富岡町だけで完結はしないですけど、双葉郡全体や、南のいわき市、北の南相馬市までのエリアで考えれば、楽しみ方はいろいろありますね。

移住について思うこと

なんとなく移住を考える人って、こっちで起業しなきゃいけないとか、地域のためになることをとか、使命感を感じてしまう人が多いような気がします。特にこの地域は震災・原発事故があったので、その傾向が色濃いように思います。

ただ、私はそういったことは抜きにしても自然が魅力的な場所だと感じますし、そういう場所が好きな方でゆっくりと暮らしたい方、のびのびと子育てをしたいという方にもおすすめできます。本来の移住ってそういう人生のプライオリティみたいな動機が一番大事なんじゃないかなと思います。

富岡のこれから

富岡生活の満足度が高いので、こうなって欲しいといった強い要望はないのですが、海を使ったアクティビティや海水浴場、あと海の見えるキャンプ場なんてあったら素敵だなって思います。やっぱり私自身、自然がとても好きなので。

仕事ではイベントの企画や運営を主にやっているのですが、2022年度から、ツアー事業でアクティビティを中心にしたSUPを体験して自然を満喫してもらうようなツアーも始めています。今後も富岡町や双葉郡の魅力が色濃く伝わるような取り組みをしていきたいと考えています。


渡辺 元気さん